ゲームができるまで

7限目:ローカライズ

世界中で、遊べるように
ローカライズ

さて、このようにしてゲームはしあがっていくのですが、このままでは国内のひとしか楽しめない作品になってしまいます。
名前や物語、UIなどがすべて日本語で書かれているからです。
国内向け、つまりローカルな表現を、各国のひとたちと相談して、世界中のひとたちのローカル向けにかえていく仕事を「ローカライズ」と呼びます。
ローカライズはほとんどが言葉の翻訳ですが、なかには絵、UIデザインや仕様そのものが関わることもあります。○や×などの記号でさえ、意味が全く異なってしまうこともあるのです。
こうしてゲームの全てに渡って、こまかく表現をチェックしていきます。

ローカライズができるには

本来、翻訳というものは、どんなに頑張っても同じ意味になることはありません。ある国の言葉と別の国の言葉は、そもそも違う文化の言葉だからです。
だから、やれることは、できるだけ近付ける、ということになります。

そのためには、そこに書かれている言葉をただ訳するだけでは、全く不充分です。
言葉というものは、その周りの言葉との関係や、それまでに出てきている情報、またこれを読むひとたちが知っていることを含めて、総合的に意味を作るものだからです。
書かれた意味の表面だけを見て判断するのではなく、作品全体を広く見渡して、そこで必要とされている本当の意味をとらえていく読解力が必要となってきます。

ローカライズの力をつけるには

「英語」を頑張る

世界中の言葉の中でも、標準の言語として多くのひとが知っているのはやっぱり「英語」です。
英語以外の言葉へのローカライズも行ないますが、その場合でも、やりとりは基本的に英語を用います。まずは英語を勉強するべきでしょう。
また、そもそも外国語を勉強することは、母国語である日本語を一度外から見つめ直すことにもなります。日本語の読解力を伸ばす意味でも、外国語を勉強することは大切です。