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仕事内容
執筆者:熊崎 タグ: ディレクター

『星のカービィ ディスカバリー』サウンドトラックの仕事 ゼネラルディレクター編

「星のカービィ」シリーズ ゼネラルディレクター

こんにちは!
「星のカービィ」シリーズ、ゼネラルディレクターの熊崎です。

ハル研ブログに登場するのは、昨年の『星のカービィ 30周年記念ミュージックフェス Live Blu-ray & Live CD』の仕事 ゼネラルディレクター編 以来でしょうか。
少しお久しぶりです!

さて、『星のカービィ ディスカバリー』のサウンドトラック2種が先行発売となりました。
ぱちぱちぱち!

今回のサウンドトラック制作においても、ディレクターとして楽曲の構成や曲名付け、音源の監修やマスタリング、そして解説コメント執筆など、いろいろと担当しました。
どの作業もゲーム開発のディレクター業と同様に、その商品を通して多くのお客さまに広く、奥深く楽しんでいただくことを考えて制作に挑みました。

ゲームの楽曲は、当然ですが、どの楽曲もプレイ体験の最大化を考えて作られたものになります。
しかし、ゲームから離れ、楽曲単体としても、ふと口ずさみたくなったり、頭の中で鳴り響いたりする存在に、またカービィとエフィリンの冒険の思い出とドキドキを呼び起こしてくれる、そんな存在にもなっているのではないでしょうか。

その思い出の楽曲たちを、CDという1つの「カタチ」にするのがこのサウンドトラック制作になります。
まずCD化する際には、そのCDという媒体での最大化を考えて、音源データもより適したものにします。
ゲームの音をそのまま収録するわけではなく、より高品質の音源を選び、スタジオでマスタリングも行って、CD収録に最適な音に磨いていきます。
また一部の曲にはボイスや効果音も収録するなど、ゲームの思い出に寄り添った内容になるよう調整を重ねました。

また、全曲収録された『コンプリートサウンドトラック』には、実際に音が鳴るオリジナルフォトフレームオルゴールや5枚のフォトカードが付属。
ゲームの思い出が手に取れるカタチとなればと、耳で聴いて、目で見て、手で触れられるアイテムを目指しました。

それから、1曲1曲それぞれをカタチにする仕事として、全曲に「名付け」も行います。
「星のカービィ」シリーズ本編では、私がシリーズに関わって以降、毎作、全曲名を1つ1つ考えてきました。
常にゲームの進化と、その作品ごとの情景に寄り添い、プレイ中は特に意識せずとも、クリア後にその曲名を見て、また新たな一面を感じられるようにと考えて名付けます。

名付けや解説コメントなどのテキストの仕事は、普段の生活の中で歩きながらや何かしながら1曲ずつ思い浮かべ、数を揃えていくことが多いのですが、どれもゲームの遊びを考えるのと同様に、作品ごとに新しい体験になるようにと考えて書かせていただいています。
『コンプリートサウンドトラック』をお持ちの方はぜひ楽曲を聴きながら、曲名と、全曲解説コメントとあわせてお読みいただければと思います。
解説コメントは監修当時の思いを振り返り書いた、曲作りの時の考えなども感じていただけるものにしています。

そして今回のサウンドトラックは、全曲収録の『コンプリートサウンドトラック』と33曲収録の『サウンドセレクション』の2バージョンがあり、この同時制作にもチャレンジしました。
ゲーム音楽はどうしても曲数が多くなり、CD何枚組という大きなグッズになってしまうのですが、さまざまなお客さまの手に取っていただきやすくもしたく…。
2つの商品の同時制作は大変でしたが、今回は4枚組のコンプリート版と、CD1枚のセレクション版を用意していますので、ぜひお好きな方を選んで聴いていただければと思います。

最後に。
本サントラには異世界言語で歌唱されたテーマソング「WELCOME TO THE NEW WORLD!」が収録されていますが、コンプリート版にはなんと!その歌の日本語歌唱バージョンも収録されています。
まるで異世界のテクノロジーにより我々にも理解できる言語設定モードで再生された…ようなイメージになる、かも?
ゲーム中のあのシーンを思い浮かべながら、ぜひお聴きいただければと思います。
ルーティア フェリウァミ?(意味:準備はできたかい?)

そして写真は発売記念に、リードサウンドの小笠原とのツーショットです!
サントラ制作も一緒に頑張りました。

ゼネラルディレクターとリードサウンド

それでは、またどこかで!

℗© Nintendo / HAL Laboratory, Inc.
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