Nintendo Switch用ダウンロードソフト『カービィのグルメフェス』のシーケンスディレクター、山田です。
お菓子な世界で、4人のカービィたちが食べたイチゴの量を競いあう『カービィのグルメフェス』が…
ついに、本日配信されました!
パチパチパチパチ!!
「星のカービィ」シリーズ30周年の節目に、新たなカービィの可能性をみなさまにお届けすることができ、嬉しく思っています。
そして今回ハル研ブログで、この『カービィのグルメフェス』ではどんな仕事をしていたかを、4人の開発メンバーがそれぞれの職種の視点から、ほんの一部ではありますが紹介していきたいと思います。
最初は私から、「ゲームクリエイターを目指している人」や「ゲームクリエイターに興味がある方」向けに、ディレクター/ゲームデザイナー(プランナー)の仕事についてお話しします。
まず、ゲームクリエイターには大きく分けて「ゲームデザイナー」「プログラマー」「デザイナー」「サウンド」の4つに分かれます。
実はゲームクリエイターといっても、いろんな職種があるんですよ。
そこで「ゲームデザイナー」は、何をするかというと、“どんな遊びにするかを考え、カタチにする”ことが、主な仕事になります。
例えば「何をすると勝利になるのか」「どんなステージにするか」を考えます。
次に仕様書や設計図を作成し、プログラマーさんやデザイナーさんにどんなものが作りたいのかを共有していきます。
その後、他の職種の人たちと一緒に考えた遊びをカタチにしていくまでが仕事になります。
私は「ディレクター」と「ゲームデザイナー」の仕事をしていました。
ディレクターとは、ゲーム開発チームのリーダーとして、ゲーム全体の構成や必要な仕様を検討し、何をどこまでに実装するかを決めることが、主な仕事になります。
そのため、デザインやサウンド、各仕様の確認などと、たくさんの監修を行っていました。
そこで、私が実際に行っていた仕事を一部紹介したいと思います。
今作は、過去のカービィシリーズとは違う遊びにすることが決まっていたため、どんな遊びにするかをゼネラルディレクターとともに、決めるところから始めました。
企画段階から、よりカービィを大勢の人に知ってもらえるようなゲームにしたいと考えていたので、あまりゲームをしない方でも、楽しく遊べるようなゲーム性にすること意識して構成し…
その結果、シンプルにイチゴをどれだけ食べられたかを競うゲーム性にしました。
また、食べたイチゴの数は勝敗だけに関わるのではなく、スキンやボディカラーなどの、ごほうびをもらうことにも紐づけることで、より「イチゴを食べた数」に価値を持たせています。
これにより、対戦で負けているプレイヤーも「○○○コは食べたいー」や「初めて○○○コ食べられるかも」と思えるような構成にし、最後まで遊びたくなるようにしています。
その他にも、プレイヤーが考えることを「イチゴを食べた数」だけに絞ることで、ゲームの目的をよりシンプルにし、カジュアルに遊びやすいようにしました。
初めて遊んだ人も何をすればいいゲームなのか、わかりやすいと思うので、普段ゲームをしない人にも、とっつきやすいゲームになったのではないでしょうか。
普段のカービィとは違い、今作のカービィはコロがって移動します。
このコロがっている感じを出すために、「慣性」や「HD振動」などを、意識して実装しました。
なかでもHD振動は、どうすればコロがっている感じが出せるかをプログラマーさんと一緒に、試行錯誤を重ねていましたね。
単純にHD振動をさせるだけでは、コロがっている感じが出せないので、コロがり始めと、コロがっている時の振動の強さや振動する間隔を変えていたりします。
そして、何度も実験を繰り返し、現在のHD振動になっています。(かなり大変でした…)
ゲームを長く遊んでいただくためには、目的となる「ごほうび」が必要になります。
この辺りを考えるのも私の仕事です。
遊びをマンネリ化しないように「ステージ」の追加。
自分だけのカービィで遊んだり、友達に自慢したりできるように「スキン/ボディカラー」の入手。
歴代のキャラクターが描かれた「キャラおかし」の収集。
と、プレイヤーにどう感じてほしいか、どう遊んでほしいかを考えて、ごほうびの内容を決めます。
ココをしっかり考えて仕様を決めないと、プレイヤーが遊び続けるモチベーションを保つことができず、長く遊んでもらえない作品になってしまいます。
そのため、ゲームデザイナーは「お客様(遊んでくださる人)目線」で考えることも大切になります。
以上、私が行っていた仕事の一部を紹介しました。
この他にも「コピーフード能力」「各画面構成」「SE/ボイスの監修」など、いろいろやっていましたが、今回はここまで!
また、別の機会にお話しできる時があれば、お伝えしたいと思います。
今回のブログで、少しでも「ゲームクリエイター」に興味を持っていただけたなら嬉しいです。
今後も新しい挑戦を続け、多くの方に楽しんでもらえる作品を提供していきたいと思いますので、これからも、よろしくお願いいたします。
お読みいただき、ありがとうございました!!