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仕事内容
執筆者:吉岡 タグ: デザイナー

『カービィのグルメフェス』の仕事 デザイナー編

© HAL Laboratory, Inc. / Nintendo

みなさんこんにちは!
デザイナーの吉岡です!
今回は『カービィのグルメフェス』のデザインの仕事に関してお話します!

私が担当したのはフィールドアーティストという仕事です。
簡単に言うと、ステージのデザインを考え、実際に3Dソフトなどでステージ(背景)を作っていく仕事になります。

『カービィのグルメフェス』に登場するおいしそうなステージたちがどのように作られてきたのか、紹介していきたいと思います!

ステージのテーマを決める

まずはそのステージを、どのような食べもののステージにするかを決めることから始まります。
ステージの遊びを考えるレベルデザイナーと話し合い、プレイヤーにどんな遊びをしてもらいたいのかという要望を聞いて、それに合った食べものを考えていきます。
例えば、「ここは床が滑るステージにしたいからアイスキャンディーの地面を作ろう」「ボコボコした地面を転がってほしいからワッフルを地面にしよう」といった風に、遊びに合ったステージのテーマをレベルデザイナーから提案されるので、アートディレクターと相談しながらそれらが現実的に作成可能かを考えます。
ステージによってはアーティストが先にイメージの絵を描いたり、3Dで簡易的に作ってみたりすることもあります。

ステージのテーマが決まれば、実際にどのくらいの種類の3Dモデルを作成していくかを大まかに決めます。
『カービィのグルメフェス』のステージは、たくさんの3Dモデルが集まってできています。
作成する3Dモデルが多くなりすぎると無駄が出たり、制作スケジュールにも影響したりするので、作り始める前にある程度、作成するものを決めておくのです。

どんな3Dモデルを作るのかを細かいところまで相談

作成するものが決まれば実際に作業開始です!
まずはワッフルを作るといってもどんなワッフルがいいのか、世の中のワッフルはどんな色や形なのか調べなくてはいけません。
リアルなものを作るときは、この資料探しはとても大事になってきます。
いろんなワッフルの画像を見ながら、どんな3Dモデルにするのかをアートディレクターと相談していきます。(お腹がすいてきます)
休みの日には、実際に作成中の食べ物を買って食べてみたりして観察します。(仕事のためなので仕方ないですね)
アートディレクターとの相談が終われば、いよいよ3Dモデル制作に入ります。

役割を意識しながら作る

どんな3Dモデルにも役割があるので、それに沿った見た目を目指します。
「これは地面に使うから端の方の色を目立つようにしておくと崖際がわかりやすくて、プレイヤーに親切だろう」
「スポンジ生地の模様を目立ちやすくすれば転がっているときにスピード感を感じやすくなるかも」
「このチョコは踏むとスピードが落ちるダート用のものだから、一目でドロドロだとわかるような質感にしよう」
一つ一つ、この3Dモデルの役割が何なのかを考えながら作っていきます。
アートディレクターのから監修を受け、OKがもらえれば3Dモデルの完成です!

こうして作られた3Dモデルがディレクターやゲームデザイナー職の設計した遊びに沿って配置され、さらにフィールドアーティストによって、よりプレイヤーに親切に、華やかに飾りつけられることで、一つのステージが完成となります!

以上がフィールドアーティストの主な仕事になりますが、今回私は他にも作業を効率的に進めるための仕事も担当しました!

今作は、スポンジ生地がたくさん出てくるゲームなので、効率よくスポンジ生地のテクスチャを作成できるような仕組みを作りました。
テクスチャ作成ソフトで使えるデータで、パラメータを動かすとスポンジ生地の気泡の大きさや形、配置を変えることができたり、全体の色(焼き加減)を簡単に調節できるようにしました。
こういった仕組みを作るような仕事にも前々から興味があり、今回アートディレクターに相談したことで取り組ませてもらえることになりました。
作成したデータは、他のフィールドアーティストにも使ってもらい、効率よくいろんな表情のスポンジ生地を作ってもらうことができたので、とても満足感のある仕事でした!

© HAL Laboratory, Inc. / Nintendo

簡単にではありますが、フィールドアーティストの仕事を紹介しました。
フィールドアーティストはゲームのプレイヤーキャラクターを作る仕事ではありませんが、ゲーム画面の大半の面積をフィールドアーティストの仕事が占めており、全体の雰囲気を大きく左右する、とてもやりがいのある仕事です。
『カービィのグルメフェス』をぜひプレイしていただいて、かわいくておいしそうなステージたちを楽しんでいただければとても嬉しいです!
これからも魅力的なステージ・背景を作れるように頑張っていきます!

ここまでお読みいただきありがとうございました!