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執筆者:熊崎 タグ: 企画ディレクション

本日でカービィは30周年!『星のカービィ ディスカバリー』の仕事 ゼネラルディレクター編

© HAL Laboratory, Inc. / Nintendo

『星のカービィ ディスカバリー』のゼネラルディレクター、熊崎です。

忘れられた文明が遺跡となった新世界を行く『星のカービィ ディスカバリー』。
早いもので、発売されて一ヶ月が過ぎまして…
そう、本日は4月27日。

2022年の春、ついに「星のカービィ」シリーズは30周年を迎えました!
パチパチパチパチ!!
記念すべき年に、新たなチャレンジでいっぱいの本作をお届けできたこと、とても感慨深く思います!

そして、若手を中心にさまざまな職種が登場した『星のカービィ ディスカバリー』の仕事ブログも、今回で最終回。
ハル研に興味がある方や、将来ゲームクリエイターになりたい!という方にもゲーム開発について、少し知っていただけたのではないでしょうか。
最終回は私から、ゼネラルディレクターの仕事についてお話させていただきます。

ゼネラルディレクターとは、主にディレクターたちの仕事を見るディレクターで、ゲームの内容全体を統括するのが仕事になります。
毎日たくさんのデザインやステージの監修をしたり、各仕様の確認やスタッフからの相談を受けたりと、人とお話しするのが仕事です。
また、決められた期限や予算などの条件に沿って動き、より良いゲームを完成させるのが与えられた役割です。

そのため、多くのスタッフの多種多様な考えを1つの方向にまとめるのが仕事とも言え、そう言うとちょっとカッコいい気もしますが、とにかく悩ましい会議に出たり、メールをいっぱい書いたり、人と話したり、考えたりすることが多い仕事です。

さて、プロジェクトの序盤、プロデューサーと共にその指針となるテーマを決めます。
今作で言えば、
「誰もが快適に操作できる間口の広いフル3Dアクションにする」こと、
そして、
「カービィについて、“変幻自在でヘンテコな存在”である特徴を見つめ直す」こと、
となります。

こういったところから考えはじめ、そこからあの「ほおばりヘンケイ」が生まれたり、3D空間でも快適に操作できるさまざまな仕様をスタッフと一緒に磨いていきました。
企画のリーダーであるディレクターの神山、レベルデザインディレクターの遠藤をはじめ、ベテランも若手も、チームみんなで力を合わせてチャレンジを続けました。

そんなディレクターチームの仕事については、任天堂ホームページにて公開中の 「開発者に訊きました:星のカービィ ディスカバリー」でもいろいろなエピソードを訊いていただいておりますので、そちらもどうぞご覧くださいませ!

★任天堂ホームページ 開発者に訊きました:星のカービィ ディスカバリー

さまざまなスタッフの努力により完成した本作ですが、それでも時に人手が足らず、全体を監修しながらも、私もいちスタッフとしてスケジュールをきられ、完成に必要ないろいろな仕事を頑張っていたりもします。
プレゼンや会議だけではなく、コツコツ手も動かしますよ!

例えばBGMについて。
どのような曲が欲しいかをリストに記入し、イメージの説明から曲の名付け、最終OKまで1曲1曲、担当のサウンドスタッフと二人三脚で作りあげました。
サウンドはカービィを彩る大事な要素ですので、アクション要素と同じように丁寧に作りあげています。

© HAL Laboratory, Inc. / Nintendo

例えばテキストについて。
町のワドルディのセリフなどはディレクターチームのゲームデザイナーと共同で書きましたが、それ以外の固有名詞となるステージやアイテム、ボスのワザ名や音声で流れる台詞、コレクションフィギュアの解説文を書くのも私の仕事です。
今回も厳しいスケジュールとなり、ちょっとたいへんでした…(汗)

そのフィギュアに付いている解説文ですが、過去のカービィシリーズでは、特別な戦闘中にポーズ画面を開くことで見られたものでした。
戦いの真っ只中、襲い掛かる強敵を前に真実を知るあの感覚も、「ちょっと待ってそうだったの!?」と、驚きと緊張が入り混じる戦いとなり、シリーズ独特の文化にもなりましたが、それが定番化していることが少し気になっていました。

そこで今回は、自由なタイミングで見られ、またフィギュアを集めたら得られる、ちょっとした「おまけ特典」という位置付けになりました。
今作は海外での広がりも意識し、ローカライズする前提で考えていったのも、ポイントかと思います。

もちろん、それらを読まずとも問題ないストーリーにし、またロマンとして複数の謎も残してあります。
この世界の住民はどんな姿で、どこへ行き、今はどうしているのか…?
彼らの声については、テーマソングの歌声が実在した証となりますが、それ以外は謎に包まれたままで、想像するとワクワクしますよね。
そんな世界観を盛り上げることも私の仕事の1つなのです。

また、ボイス収録の現場担当も私の仕事です。
デジタルで作られるゲーム作品に、収録により人の息吹、演技が組み込まれ、音声も1つの楽器のように奏でられます。
どの演技も、ゲーム全体をさらに盛り上がるように収録されたものばかりです。

今回は、主人公カービィの声も全てが新録になります。
カービィが手を振り「はぁい」という笑顔の声も、ちょっと違ったイントネーションになっていて、新生カービィにふさわしい演技をしていただけたと思っています。
他にも音声で言えば、あるボスのボイスを叫ばせていただいたり、豹のキャラクターの音素材として、家の猫の鳴き声を撮ってきたりと…監修の合間にも常に手を動かし、やれることがあれば何でもトライしました。

以上、日々の仕事のほんの一部をご紹介してきました。
企画プレゼンや日々の会議など、お伝えする方法がない仕事も多いのですが、とにかく必要なことであればなんでもやります。
ゲームを少しでも良いものにし、世界中にお届けするため、あらゆることをする!
それが、今の私の仕事と言えるのかもしれませんね。

長いプロジェクトとなりました。
本編カービィとしては何年もお待たせし、もしかしたら、おかえりカービィ!という気持ちで遊びはじめられた方もいらっしゃるのではないでしょうか。

その、カービィも本日をもって30周年を迎える長いシリーズに成長しました。
本当に感慨深いです。
HD画質となりフル3Dアクションとなり、全く新しい舞台での冒険となりましたが、どんな冒険の舞台でもカービィはカービィのまま、相変わらずきょとんとした顔で、明日もまた、冒険の旅に出ることでしょう。

カービィ、これからもよろしく!

お読みいただき、ありがとうございました!!

『星のカービィ ディスカバリー』公式サイト