ハル研ブログ BLOG

スキルアップ
執筆者:小笠原 タグ: サウンドクリエイター

サウンドスタッフのスキルアップについて

みなさん、こんにちは。サウンドクリエイターの小笠原です。
前回はサウンド成分少なめの記事「HAL Movie-1グランプリ」を書きましたが、今回はついに?!サウンドについての記事となります。
私たちハル研のサウンドスタッフが、日頃「どのようにスキルアップしているか?」という観点で、サウンドについてご紹介します。

少し話はそれますが、私はゲームのサウンド制作を志したのが遅く、一度社会に出てから、再度学校に通い、改めてサウンドの技術を学んでからハル研に入社しました。
このような経緯もあり、始めるのが遅かった分「学ぶ機会を積極的に増やしたい!」という思いが、学生の頃から強くありました。
そして入社して5年経った今でも、その思いは変わらずにあります。

ハル研では「東キョロ」という制度があり、これを活用して、東京で行われるセミナーにも以前から積極的に参加してきました。
最近はセミナーもオンラインで行われることが多くなってきましたので、業務の合間を縫って会社からオンラインセミナーに参加したり、休日にも自宅からオンラインセミナーに参加したりしています。

このように外部から積極的に学んで来ることがハル研では推奨されていますが、その知識を自分の中だけでとどめてしまうのはもったいないので、レポートにまとめたり、オンラインで山梨と東京のサウンドスタッフが集まって共有する場を設けたりしています。

そのほか、各プロジェクトで実践したサウンドの新しい取り組みや、個人のサウンド制作の手法や考え方など、内部で培われた技術についても共有しています。

例えば、インタラクティブに変化するBGMの制作手法や、映像に合わせたBGMの作り方、自作曲がどのような観点で作られたかのセルフ楽曲紹介、ゲーム以外の媒体で楽曲をアレンジする時の考え方など、それぞれのサウンドスタッフが自分なりに考えて編み出した方法を共有しています。

そして、ハル研には何十年間もゲームのサウンドを作り続けてきた大先輩達がいますので、先輩方が過去の経験で培ってきた技術についても、今改めて様々な方法で共有できるような取り組みを行っています。

例えば、ゲームミュージックのコンサートイベントで培ってきたオーケストラアレンジの手法を楽譜付きで解説していただいたり、カービィらしいサウンドの考え方について文章にまとめていただいたり、先輩方にインタビューをしたりと、私たち若手が先輩方の技術を受け継ぎ、ハル研らしいサウンドを継承していけるように取り組んでいます。

そして、共有してもらう側はもちろんですが、知識はアウトプットする側にもメリットがあると思います。
相手に伝えやすくするために知識を体系立てて整理していく過程で、その技術をより深く理解し、自分のものとして身につけることができるからです。
このように双方にメリットがあるのが、チームで共有し合う魅力だと思っています。

冒頭に書いたとおり、私は社会人になったあとに、改めて「学校で学ぶ」という経験をしたからこそ、スキルアップのためには「学びやすい環境」が大切であることを身にしみて知っています。
サウンドもふくめ、ゲーム開発という仕事では、技術の進歩に合わせて常に様々なことを学び続けていくことが求められますので、いつまでも楽しく学び続けられ、チーム全体で知識や技術向上への興味が自然と高まっていくような環境を作れるよう、私も貢献していきたいと思っています。

今回この記事を書くことで、私も知識の共有やその環境づくりについて、改めて考えるよい機会になりました。
この記事が何か一つでも誰かの学びにつながってくれると嬉しいです。

ここまで読んでいただき、ありがとうございました。