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執筆者:塩野 タグ: デザイナー

『ニンテンドーサウンドクロック Alarmo』のアラーム開発 デザイン編

ニンテンドーサウンドクロック Alarmo

みなさんこんにちは!デザイナーの塩野です。
私はゲーム開発にデザイナーとして参加したあと、CDや書籍、イベントの制作など、様々なプロジェクトに幅広く携わってきました。
そんな私が、縁あってデザイナーとして携わった、『ニンテンドーサウンドクロック Alarmo』における『星のカービィ ディスカバリー Nintendo Switch 2 Edition + スターリーワールド™』のアラームの開発についてご紹介します。
※Alarmoについては詳しくは任天堂ホームページをご覧ください。

Alarmoは体の動きに反応してゲームの世界の音が鳴る、ちょっと不思議な目覚まし時計です。
このたび、カービィのアラームを追加するということで、私はデザイン全般を担当させていただきました。

開発に携わってまず苦労したことといえば、開発ツールの習熟です。
私はしばらくの間ゲーム開発のプロジェクトから離れていたものですから、はじめのうちはコツを掴むのが大変でした……。
しかし、そこは任天堂の担当の方に手厚くフォローしてもらいつつ、最後まで試行錯誤し続けることができました。
こういうとき、ツールへの理解というのは、アウトプットされる表現の幅に直結すると感じています。しみじみ、クリエイティブは日々の鍛錬と発見の連続で成り立つものだなぁと感じるものです。
おっと、話が逸れてしまいましたね、デザインの話に戻りましょう!

Alarmoでは時計画面にキャラクターが登場します。コンパクトな画面だからこそ、キャラクターの描画は、ドット単位での見た目をこだわりぬきました。
もちろん実装できるデータの容量にも上限がありますので、その中でいかにリッチなアニメーションを実現するか?という試行錯誤は、さながら歯ごたえのあるパズルを解いていくようで、とてもやりがいがありました。
その結果、こちらが手をふると元気に手をふり返したり、見つめているとキョロキョロしたりするカービィとエフィリンを登場させることができました!

そうそう、『ディスカバリー』の世界をかけぬけるカービィは、移動するとき真横を向きますが、Alarmoでそれをやってしまうと、表情が見えにくくなってしまいます。
なので、あえて向きを斜めにして撮影したモーションを、素材として実装しているのです!
これは横スクロールのゲームでよく使われるテクニック。私は『ロボボプラネット』『スターアライズ』のゲーム開発に参加していたので、そのときの知見を、今回の開発で活かすことができたのでした。
モーションごとのカービィたちの表情もこだわって実装しておりますので、ぜひキャラクターもじっくり見ていただけたらうれしいです。

そのほか、キャラクターのアニメーションでいうと、1時間ごとに登場する時報も見どころです!
本件担当のサウンドクリエイターの児玉と協力して、音とマッチした、ゲームに登場するアニメーションを再現すべく奮闘しました。
6時と12時だけ、カービィが最後にとある姿にヘンケイするしかけがあります。
はじめは「大きくほおばりヘンケイしたカービィが文字盤に被ってしまうのは、時計としてよろしくないのでは?」と考えもしたのですが、任天堂の担当者に相談したところ、そんな心配をよそに、「そんなところも、『ディスカバリー』のカービィらしい、ダイナミックさが出ていいんじゃないか?」とGOサインをもらうことができました。この時報は、ぜひとも実物でご覧いただけましたら幸いです。

さいごに、全体を振り返ってみて、今回の開発ではチーム内での「こうしたらもっとよくなるんじゃないか?」の意見交換が本当に活発だったなと思います!
じつは、エフィリンも最初は登場する予定はなかったのですが「『ディスカバリー』のアラームなら、カービィの隣にいてほしいよね!」という意見をもらい、実装に至ったという経緯があったのです。
データ容量が限られたなかでどう実現していくか?担当者間で相談して試行錯誤を重ねた日々は、チームでのモノづくりのよさを実感できる、とても充実した時間でした。

おや、気が付いたら長文になってしまいましたね。
まだまだお話したい気持ちもありますが、アラームの音についてはサウンドクリエイターの児玉に紹介を任せるとして、今回はこのへんで。
ここまでお読みいただき、どうもありがとうございました!

ニンテンドーサウンドクロック Alarmo 公式サイト
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