こんにちは、
Nintendo Switch™ 2 ソフト『星のカービィ ディスカバリー Nintendo Switch 2 Edition + スターリーワールド』のリードサウンドを担当した大原です。
流星がテーマとなる今作。流星が広がる世界を、サウンドではどのように表現したかについて、少しお話させていただきます。
私がプロジェクトにアサインされたときには、すでにBGMが何曲かできあがっていました。
できあがっているBGMを聴くと、流星の雰囲気を感じられる「キラキラ」とした音色が曲の至る所に散りばめられていて、まさに流星というテーマにぴったりな、煌びやかなサウンドが表現されていました。
それらの曲から得られた印象をもとに、私たちなりに「流星が広がる世界のサウンド」を表現していき、そしてそれぞれのBGMがゲームの背景に溶け込んで、結果的に個性豊かな流星サウンドができあがっていったのです。
その過程でどんなアプローチがあったのかもう少し具体的にお話します。
ぱっと思いつくグロッケンやウィンドチャイムのような「キラキラ」の代表的な楽器を使用するだけでなく、ピアノやアコースティックギターなど、アタック感の強い硬めな印象の音色を使うことで、鉱石を連想させるサウンドを表現したり。
マイルドな柔らかいパッドやコーラスなどの音色を使うことで、キラキラした雰囲気にプラスして神秘的な雰囲気をブレンドさせたり。
ゲーム中で流星空間が広がるときの効果音を模した音色が散りばめられた曲もあったりと、様々なアプローチによって楽曲が作り上げられていますので、ぜひゲームのグラフィックと共にサウンドも楽しんでプレイしていただけると嬉しいです!
今作はサウンドスタッフ同士の連携がより一層求められるプロジェクトでした。
まず、今作のサウンドを作り上げていくためには、『ディスカバリー』で使用した多くのサウンドシステムや、効果音のテイストの把握、デモへの音付けの手法など……『ディスカバリー』のサウンド全体を理解していることが重要でした。
今回私はリードサウンドとして参加していましたが、『ディスカバリー』のサウンドについて十分に理解できていない部分も多く、判断に迷うことが多々ありました。
そんなときも、『ディスカバリー』の制作に携わったサウンドスタッフがいつでもすぐにサポートしてくれ、普段から質問しやすい和やかな雰囲気を作ってくれていました。
「ここってどうなってましたっけ…」「そこはこうです!」といった感じで、スムーズなやり取りを行えたことで、安心して自分の仕事を進めていくことができました。
また、若手のサウンドスタッフの力にもとても助けられました。
エフェクトの設計や、環境音の配置、ボイスの組み込みなど……多くの仕事を担ってもらいました。
これらの仕事はゲーム全体を把握しながら、ひとつひとつ丁寧に進めていく根気のいる作業だったと思います。
そんな中でも、こちらが確認しやすいように動画にまとめてくれたり、気を利かせて「ここもやっておきました!」など率先して進めてくれたり、プロジェクトが進むにつれ、どんどん頼もしい存在になっていったことに驚きました。
このように、サウンドスタッフのものづくりに対する熱い気持ちや、エネルギーを日々感じながら、私自身とても楽しんで仕事に取り組むことができました。
ここまで『スターリーワールド』のサウンドの仕事について、お話させていただきました。
サウンドスタッフの仕事は音を作ることはもちろんですが、音を作るためには、
「ゲームで何を伝えたいのか」
「どんな世界観を表現したいのか」
「それらをサウンドが表現するためには、どんな機能や音が必要なのか」
「決められたスケジュールでどう進めていくか」
など、作ること以外に考えなければいけないことが多岐にわたっています。
そのため、ゲーム全体を幅広い視野で見ながら、音を作るための情報としてキャッチアップし、それを実際に音作りに置き換える力が重要になり……これは膨大な仕事量となります。
それらをひとりで抱えてやろうとせず、チームの仲間に声をかけ助けてもらいながら、全員の力で作り上げていく。その大切さを改めて感じたプロジェクトになりました。
最後までお読みいただきありがとうございました!
★『星のカービィ ディスカバリー Nintendo Switch 2 Edition + スターリーワールド』公式ウェブサイト
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