みなさん、こんにちは。
『ニンテンドーサウンドクロック Alarmo』における『星のカービィ ディスカバリー Nintendo Switch 2 Edition + スターリーワールド™』のアラームのサウンドを担当した兒玉です。
今回はAlarmoにおけるサウンドの仕事を紹介させていただきます!
Alarmoは一つのゲームタイトルについて7種類のアラームがあり、この中からどのシーンで起きたいかを選択することができます。
まずは、この7種類のシーンを考えるところから始まりました。Alarmoでは、設定したアラームの時間になると、ただ曲が流れるだけではなく、お客様の動きに合わせて効果音が鳴ったり、ベッドから出たことに反応してファンファーレで祝福してくれることが大きな特徴です。
ですので、シーンの検討をする際にも、「どの曲を選ぶか」ではなく、「ゲームの中のどのシーンを切り取るか」という検討をしました。
どのシーンを切り取るかが決まったら、次は具体的に入れたい音を考えていきます。
例えば、「ネイチェル草原でワドルディを救出するシーン」でしたら、BGMは「新世界をかけぬけて」、効果音はワドルディが助けを求めるボイス、ファンファーレはカービィダンス、など。
入れたい音を考えているとき、ゲームとは違って難しかった点が2つあります。
1つ目は、アニメーションが見えない状態で、音だけで状況を把握してもらう必要があるということです。
よりゲームの情景を想像してもらいやすいよう工夫したポイントとしては、まず音だけでも状況がわかりやすい効果音を積極的に取り入れること、そして違う種類の効果音を同時に鳴らしすぎないことです。このポイントを意識したことで、情景が思い浮かびやすい音がピンポイントで耳に届くようになり、よりゲームの世界への没入感を高めることができたのではないかと思っています。
難しかった点2つ目は、あくまでもアラーム、ということです。
個人的に表現したかったシーンというのはたくさんあるのですが、その中でも、朝に聞いたらその日一日頑張れそうなもの、という基準で選びました。また、逆に、朝に聞いて不快にならないようにも気を付けました。
様々な音を入れて実験していく中で、例えば、「同じ音が一定の音量、リズムで長時間鳴っている」「高音がキーンとして耳が痛い」などは、アラームとしては不快感が強いように思いました。もちろん普段のゲーム開発でも気を付けなければいけないポイントではあるのですが、毎朝聞くもので、それで一日がスタートすることを考えると、特にそういった不快感を感じる音というのは、徹底的に排除するよう心掛けました。
今回の制作をするにあたり、『星のカービィ ディスカバリー Nintendo Switch 2 Edition + スターリーワールド』の開発に携わっていて良かったと思うことが何度もありました。
例えば、ファンファーレに採用したカービィダンスは、『ディスカバリー』と『スターリーワールド』ではアレンジが異なっていますが、これは『スターリーワールド』の開発に携わっていたからこそ知っていた情報でした。
他にも、『スターリーワールド』で新規に作成した部分、『ディスカバリー』から引き継いでいる部分、というのを詳細に把握できていたため、入れたい音をスムーズに考えることができました。特に『スターリーワールド』のシーンでは、なるべく新規で追加された音を入れる、というのはこだわったポイントの一つです。
これはおまけ話なのですが、実は私が『スターリーワールド』で作った効果音も、今回のアラームの中に入っています。
自分の作った効果音で目覚めるという体験はなかなかできない体験だったので、面白かったです。私の作った効果音が、皆さまのより良い目覚めの助けになっていましたら幸いです。
さて、ここまでアラームの制作についてご紹介させていただきました。ほんの一部ではありますが、アラーム制作の雰囲気を感じていただけましたら幸いです。
今回、入社して2年目の私が、Alarmoのアラーム制作という社内でも初めての仕事をメインで任せてもらえたことは、自分自身の大きな成長に繋がったと感じています。
先ほどご紹介したようなクリエイティブな部分はもちろん、担当デザイナーの塩野との連携や、作業進行管理など、プロジェクトがスムーズに進むためにやるべきこと、というのもたくさんあることを知りました。
もちろん初めてですので、どう進めたら良いかわからないときもありましたが、すぐに先輩がサポートしてくれる環境がありましたので、安心して挑戦することができました。
また、私は普段ゲーム開発をする部署にいるのですが、こうしてゲーム開発以外の仕事も経験することができて、貴重な経験になりました。
今回の経験を生かして、次はゲーム開発でリードサウンドを任せてもらえるよう、頑張りたいです。
今回学んだ、他の職種のスタッフとのコミュニケーションの取り方や、自分で主体的に物事を進めていく方法などは、必ずゲーム開発の場でも生きると考えています。
これからも、皆さまにワクワクするようなゲームをお届けできるよう精進してまいりますので、よろしくお願いいたします!
最後までお読みいただきありがとうございました。
ニンテンドーサウンドクロック Alarmo 公式サイト
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