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仕事内容【テクニカルアーティストの仕事】デザインと技術の両面からグラフィックス表現をリード

2018年05月18日:藤田

こんにちは、テクニカルアーティストの藤田です。
私は大学で日本画を専攻し、デザイナーとしてハル研究所に入社しました。
ゲーム開発においてデザイナーとしてのキャリアを積んでから、数年前からテクニカルアーティストとして仕事をしています。

デザイナーというと、キャラクターデザインや背景を作るなどの「絵を描く仕事」というイメージがあるかと思いますが、実はキャラクターのリグやシェーダーを作るといった技術的な側面もあり、プログラミング的なスキルが必要となる場面も多々あります。
そこで、デザイナーとプログラマーの両方のスキルを持つ「テクニカルアーティスト」の出番となります。
テクニカルアーティストは、プロジェクトチームのデザイナーとプログラマーの橋渡し役になり、デザイナーの開発効率を上げる手助けをします。
また、ディレクター、アートディレクターとゲームのビジュアルを検討する時には、ここ最近のグラフィックスの傾向や、まだ誰もやったことのないグラフィックス表現を技術的な側面から提案します。

もう少し分かりやすくお伝えできるよう、テクニカルアーティストがどんな仕事なのか、ハル研究所のゲーム開発プロジェクトを例に紹介してみます。

ゲームプロジェクトの初期は、プロジェクトマネージャー、ディレクター、プログラマー、デザイナー、テクニカルアーティストといった小人数のチームから始まり、まずは試作品を作って、ゲームの手ごたえを確認します。
この段階で、テクニカルアーティスト側からも新たに挑戦したいグラフィックスを提案したり、デザイナーやディレクターからの相談を受けて、グラフィックス表現の実験を行ったりします。

ゲーム全体の規模や方向性が決まったら、デザイナーの作るデータのポリゴン数や、テクスチャの種類、エフェクト、またキャラクターをアニメーションさせるリグなど、データの仕様を決め、リリースするゲーム機の性能で問題なく処理できるかをプログラマーに確認します。

そして、デザイナーがどういった作業手順でデータを作ると効率がいいのか、どういったツールを使うとクオリティが上がるのかをまとめ、実際に自分でその作業手順に沿ってデータを作成し、検証を繰り返します。
そうすることで、デザイナーのスキルに寄り添った作業手順になっているか、想定するクオリティが出せるのか、データの修正要望が来たときにすぐに修正ができるか、また修正箇所以外の影響は最小かなどを確認することができます。
このときに、他にも作業効率を上げるために必要なツールがあったら、テクニカルアーティストだけで実装できるツールは作業を進め、規模の大きなツールはプロジェクトのプログラマーや、社内ツールの開発を担当するチームに作業の相談をします。社外のツールが必要そうであれば、購入して検証を行い、社内に導入できるかを検討・提案します。

プロジェクトの中期は、ゲームのコアとなる遊びが固まってデータの量産が始まり、チームに多くのスタッフが合流します。
テクニカルアーティストは、新しくチームに合流したデザイナーに向けて、ワークフローの説明や新しいグラフィックス表現についての勉強会、ツールの勉強会を行います。
デザイナーそれぞれにスキルの幅があるので、隔週でクオリティが高く見えるデータの作り方や3DCGツールのTipsを共有する会を任意参加で行います。

この期間は、デザイナーの作るデータの種類もどんどん増えるので、データのクオリティアップの相談や、ツールやデータのトラブルの相談も増えてきます。
デザイナーからデータを受け取って、リグのセットアップやシェーダーを作成することもありますし、「こんなグラフィックスにしたいんだけど」というような新しい表現実装についての要望も来るので、プログラマーと一緒に処理負荷と表現のバランスを見ながら仕様を詰めていきます。

また、技術的に複雑なキャラクターや背景のデザインをコンセプトデザインから最後の調整まで、テクニカルアーティストが担当することもあります。
デザインの段階から、「こういう表現を試したいのでこんなデザインにしたい」といった提案をできるのは、デザインとプログラムの両方のスキルを持つテクニカルアーティストならではだと思っています。

プロジェクト後期はゲームの仕様がほぼ実装され、マスターアップにむけてのラストスパートになります。
この段階でのテクニカルアーティストの仕事は、ズバリ処理負荷対策。ゲームの総仕上げとなる部分です。処理負荷の高いデータをチェックして、クオリティを保ちながら処理負荷を下げられるようにプログラマーと一緒に対策を行い、快適に遊べるゲームに仕上がるよう力を尽くします。

以上、ざっくりとですが、ハル研究所のテクニカルアーティストの仕事を紹介しました。
仕事内容は開発するゲームの種類やプロジェクトの規模でも変わってきますので、一例としてとらえていただければと思います。

テクニカルアーティストの仕事は、デザイナーの開発効率を上げるような縁の下の力持ち的な職種ではありますが、時にはデザインと技術の両面からゲーム全体のグラフィックス表現をリードする職種でもあります。
プロジェクトの打ち上げ会では、チームのスタッフから「テクニカルアーティストがいなかったらこの新しい表現は入らなかったよ!」「デザイナーが4日かかる作業を1時間でやってくれて助かった!」「グラフィックスがこれまでにないレベルで綺麗になった!」などと、たくさんの「ありがとう!」をいただき、感慨深かったです。
仕事の内容は様々で求められるスキルも高いですが、とてもやりがいのある職種だと感じています。

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