ゲームができるまで

8限目:デバッグ

きちんと動くか大実験
デバッグ

ゲームが世の中に出ると、沢山のひとたちが一斉に遊びます。
しかし、そのゲームが、遊んでいる途中で問題が出て止まってしまったとしたら、どうでしょうか。
せっかくゲームの世界に熱中していたのに、突然、現実の世界に引き戻されることになります。楽しさは一気に吹き飛ぶことでしょう。
また、もし集めたデータが消えてしまったとしたら、どうでしょうか。楽しいどころか、悲しささえ感じることでしょう。
本来、楽しませたいと思って作られるゲームで、悲しませてしまうなんてことは、あってはならないことです。
だから、ゲーム作りの最後には、そのゲームが最後まできちんと楽しめるかどうかをチェックする必要があります。
チェックして、問題があれば修正する。この確認と修正作業が「デバッグ」です。

デバッグができるには

デバッグは、そのゲームに出てくる表現を全て確認し、どう操作したらどう動作するかも全て調べあげます。たいへん、根気がいる作業です。

しかし、ただやみくもに調べていたら、見落としたり、同じところを何度も見たりして、いつまでたっても終わりません。
そのゲームの全体を見渡し、最低限の調査で済むように、あらかじめ計画を立てておく必要があります。

前もって立てた計画に沿って根気よく、一つ一つ調べ、もしおかしな動きがあれば、正確に報告します。
こうしてゲームの全てを確認し、遊ぶひとが悲しむことのないよう、作品としての完成度を上げていきます。デバッグは、作品の品質をよいものにするのに、無くてはならない仕事なのです。

そして、物事の品質をよくするというのは、ほぼ全ての仕事に共通する、とても重要な要素です。

デバッグの力をつけるには

「理科」を頑張る

問題の原因を調べるときには、原因となるようなあやしい行動を行なう場合と、行なわない場合の2パターンを試して比較します。
こうすれば、原因がはっきりと分かるので、修正もやりやすくなり、間違った修正をしてしまう危険も抑えられます。
これはまさに、「理科」でいうところの対照実験です。
デバッグの考え方は、基本的には科学と同じです。「理科」をしっかり勉強しておけば、様々な仕事で重要になるデバッグを上手にやることができるようになれるでしょう。